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テネシー・タイタンズの2020年を大真面目に振り返る

サマリー

2019年のプレーオフでジャイアントキリングを重ね、スーパーボウルまであと1勝と迫ったチームは、その立役者であるライアン・タネヒルと、デレク・ヘンリーを大型契約でつなぎとめた。
そのヘンリーのゴリゴリのランを中心とした破壊力のあるオフェンスに、2020年も高い期待値がかかる中で、見事開幕3連勝。コロナ禍でチーム内でクラスターが発生する悲運もあったが、開幕連勝を5まで伸ばす。その後は、攻守にけが人が続出し、徐々にほころびが出始めるが、それでも要所で勝ちを積み上げ、11勝5敗で12年ぶりとなる地区優勝。
タネヒルはパス獲得ヤードで4,000ヤードに迫るなど2年連続で活躍し、ヘンリーは史上9人目となる2,000ヤードラッシングを達成。2年目レシーバーのAJブラウンが、チームとしては16年ぶりとなる2年連続で1,000ヤードレシーブを達成するなど、今シーズンも破壊力のあるオフェンスは健在であった。
プレーオフは、こちらも12年ぶりとなるホーム開催となったが、昨年のプレーオフ、今年の公式戦と連勝していたレイブンス相手に、オフェンスを徹底的に封じられ、敗退。
夢のような1年は、あまりに儚すぎる形で、その幕を閉じたのであった。
来年のスケジュールもサラリー・キャップも厳しく、今シーズンも主力の流出を覚悟しないといけない。来年も戦えるチームになるためには、今シーズンのドラフトは少し失敗した感があるGMジョン・ロビンソンの好判断が不可欠だ。

2020年の期待値振り返り

2019年は、9勝7敗フィニッシュで、4年連続となったが、これまでとは、内容の違うものであった。
開幕2勝4敗と絶望的なスタートと、振るわぬオフェンスを受け、先発QBを、契約最終年だったマーカス・マリオタからライアン・タネヒルに交代。タイタンズファンからは賛否両論があった印象もあるが、結果としてこのQB交代でチームは別人のように蘇る。QB交代後は7勝3敗で、見事例年通りの9勝7敗まで巻き返した。その結果、最下位シードながらも、2年ぶりのプレーオフ進出となった。
プレーオフでもチームの好調はそのままで、毎週、生き残っているチームの最もシードが高いチームとアウェイで戦うことが確定している、という圧倒的不利の下馬評ながら、ペイトリオッツ (第3シード)、レイブンス (第1シード) を2週連続でジャイアントキリング。あの2000年のスーパーボウル進出以来、20年ぶりのスーパーボウルまであと1勝まで迫るシンデレラ・チームぶりを発揮し、ファンを沸かせた。
前書きが長くなったが、オフには、その立役者となった、QBタネヒル、RBヘンリーと大型契約。影のヒーローだったオフェンシブ・ラインのジャック・コンクリンは、サラリー・キャップの都合で泣く泣く流出となったが、残すべき主力は残せた2020年。プレーオフ進出は当たり前、今年こそ、昨年逃したスーパーボウルを…期待値は例年になく高かった。
…のだが、シーズンはコロナ禍でのスタート。プレシーズンも中止という決断が下されたが、これがかえってアドバンテージとなる。というのも、主力選手は昨年より前から在籍しており、チーム加入の際の、プレーブックを覚えたり、練習で呼吸を合わせたり、というプロセスがすでに完了しているからだ。特に、5人の連携が重要なオフェンシブ・ラインも、コンクリンの流出があったものの、長年控えとして出場していたデニス・ケリーがそのまま先発にスライドする形となったため、影響はあまりなかったのである。
結果的に、それがどこまで影響したかはわからないが、開幕戦から見事連勝。開幕3試合は、最後の最後にフィールドゴールで試合をひっくり返して勝利を決めるなど、プレーオフでも見せた勝負強さが光った。
3連勝したタイミングで、チーム内でクラスターが発生。試合開催も危ぶまれ、結果的には1試合がリスケジュールに。練習すらできない事態となりながらも、バッファロー・ビルズとの全勝対決にも勝利すると、なんだかんだと開幕5連勝。
…ただしそこがピークだった。またも全勝対決となったピッツバーグ・スティーラーズには敗戦。その前後から、攻守にけが人が出始める。オフェンシブ・ラインのリーダーだったテイラー・ルワンにはじまり、その代わりに先発を務めたタイ・サムブレイロも故障者リスト入り。3番手ながら、勝負所で頼れるスロット・レシーバーだったアダム・ハンフリーズも故障者リストへ。守備面でも、パス守備の柱だったジェオン・ブラウンや、補強の目玉だったジャデビオン・クラウニーまでもが故障者リスト入り。
徐々に失速するチームは、10勝でもプレーオフ進出が危ういという、ハイレベルなAFCの状況も相まって、結果最終戦まで「よければ地区優勝、最悪プレーオフ未達」という状況に。
結果、最後はヒューストンでのテキサンズ戦でヘンリーが大爆発。史上9人目の2,000ヤードラッシングを達成し、ギリギリながらも地区優勝。12年ぶりの偉業に、12年ぶりの本拠地開催のプレーオフに、コロナのみならず竜巻被害や爆破事件で弱っていたナッシュビルの街は沸いた。

しかし、その歓喜が長続きすることは、なかった
テキサンズとの最終戦にすべてを出し尽くしたタイタンズは
続くワイルドカード・ラウンド
ボルティモア・レイブンズに 嘘のようにぼろ負けした (画像略)

昨年は4thダウンギャンブルを恐れぬ積極的なプレーコールと、悪知恵に近いゲームマネジメントで、一躍NFL有数のヘッドコーチとして名をはせたマイク・ブレイベルが、僅差ながら劣勢で、試合も残り10分、4th & 2という状況でギャンブルではなくパントという、謎めいた判断もあり、最後はタッチダウンまで攻撃を進めるか、このまま敗退かという究極の勝負所で、タネヒルがインターセプトを喫して万事休す。
2019年プレーオフ後の期待感を考えると、2020年は前半がピークで、尻すぼみ的に終わってしまった感じすらあるが、得失点差から計算される勝敗の期待値は9.1勝6.9敗だったことを考えると、+1.9勝ぶんを上積みした勝負強さや、マネジメント能力は、決して忘れてはいけないはずだ。

オフェンス振り返り

全体像

  • 得点: 491 (1試合当たり30.7; NFL32チーム中4位)
  • 合計6,343 yd.獲得 (1試合当たり396.4 yd.; NFL2位)
  • 3rd Down成功率: 46.2% (NFL5位)、4th Down成功率: 62.5% (NFL9位)、
  • レッドゾーンでのタッチダウン率: 75.0% (NFL2位)

昨年に続き、パワーと爆発力を兼ね備えたヘンリーの理不尽なランを核としたオフェンスを展開。ヘンリーが走ると見せかけてタネヒルが走るプレイや、ヘンリーが走ると見せかけてのタネヒルのプレイアクションパスの爆発力は今年も健在で、それゆえに相手もヘンリーへの対策がしづらい…という相乗効果を生んだ。
オフェンシブ・ラインでは、右タックルのジャック・コンクリンがオフにFA移籍。左タックルを長年務めるテイラー・ルワンも、自身初となる故障者リスト入りで、シーズンが早々終了。2番手レシーバーとして期待されていたアダム・ハンフリーズも故障がち…という状況でも、ヘンリーの爆発力が落ちることも、タネヒルのパス攻撃が崩れることもなかった。
それにはコーチ陣、特にオフェンシブ・コーディネーターのアーサー・スミスの影響が大きく、故障者続出の状況下でも、昨年以上となるNFL4位のオフェンスを展開した功績は大きい。プレーオフでは、逆にヘンリーのランを見切れないという点が批判されたものの、ハイパーオフェンスを構築した功績が評価され、アトランタ・ファルコンズの新ヘッドコーチに就任。見事栄転をつかんだ。

オフェンシブ・ラインの成績 (主要選手のみ抜粋)

位置選手試合先発PFF Grade
Left TackleTaylor Lewan*5561.8
Ty Sambrailo*10565.9 (51位/T83人)
David Quessenberry12661.7 (65位/T83人)
Left GuardRodger Saffold151570.2 (15位/G84人)
Aaron Brewer12176.2
Jamil Douglas14037.6
CenterBen Jones161678.6 (4位/C37人)
Right GuardNate Davis161669.7 (17位/G84人)
Right TackleDennis Kelly161665.9 (51位/T83人)
Isaiah Wilson1060.0

*シーズン途中に故障者リスト入り
太字の選手がレギュラー想定

  • 昨年からの変化は、右タックルのジャック・コンクリンがFA移籍したこと。それ以外の4人は、昨年から継続してのレギュラー。
  • 右タックルは、長年サブとして控えてきたデニス・ケリーとの契約を延長し、ドラフトではアイザイア・ウィルソンを獲得。オフェンシブ・ラインのプレーは定量化しづらいところがあるが、ケリーは、PFFグレードでは65.9。タックル全体で51位という、ソツのないプレーを見せた。
  • 一方のウィルソンは…開幕前に飲酒運転で逮捕、2度のCOVID-19リスト入り、15人以上の集会禁止の規約違反による出場停止、挙句Non-Football Illness Listに入れられる始末。懲りずに年明けにもパーティー参加が目撃されるなど、1年目にしてバストの評価がちらほらと出ており、オフにはトレードか解雇かの方針だという形でニュースになった。クリーブランドでキャリアハイのPFFグレード (84.3) を残したコンクリンの姿を思うと、空しくもなる。
  • 反対側の左タックルは、長年テイラー・ルワンが務めてきたポジションだが、昨年の出場停止 (禁止薬物テストの失敗) に続き、今年はシーズンも1/3が終わったところでまさかのACL断裂。Twitterで自ら怪我を公表するという、珍しい形での発表になったが、それはおいておいて、精神的支柱であり、プロボウル3回選出の実力者は、本調子になる前の故障で、キャリアワーストの1年となってしまった。
  • 両タックルのポジションが、選手の入れ替えや、レギュラーの故障で比較的バタついたポジションだった一方で、両ガードとセンターは、昨年に引き続きレギュラーを守り、1年間戦い抜いた。特に、センターのベン・ジョーンズのPFFグレード78.6はキャリアハイ。ガードのサフォールドは高値安定のPFFグレード70.2、ネイト・デイビスは、すべての攻撃プレーに参加し、サフォールドとほぼ同等のPFFグレードを残した。
  • 真ん中がしっかりしていたことが、タックルが不安定な中でも、ハイパーオフェンスを作ることができた要因といえよう。

パス攻撃

パス試行485回 (NFL30位) 合計3,653yd. (1試合当たり228.3yd.; NFL23位)
タッチダウン33回 (NFL8位), インターセプト7回 (NFL2位)

個別パス成績

選手PFF Gradeパス試行パス成功成功率ヤード数1回試行あたりTDINTレートサック
Ryan Tannehill90.3
(6位/QB40人)
481
(18位)
315
(17位)
65.5%
(21位)
3,819
(15位)
7.9
(7位)
33 (7位タイ)7
(28位)
106.5 (5位)24 (19位タイ)
Logan Woodside66.43133.3%72.30042.40
Brett Kern100.0%000039.60
Adam Humphries0000001

個別レシーブ成績

選手PFF Gradeターゲット回数レシーブ回数ヤード数1回レシーブあたりTDファンブル
A.J. Brown90.1
(3位/WR131人)
106
(36位)
70
(33位)
1,075
(16位)
15.4
(12位)
11
(5位タイ)
2
Corey Davis86.9
(8位/WR131人)
9265984
(20位)
15.1
(15位)
51
Jonnu Smith75.2
(13位/TE73人)
654144810.98
(15位タイ)
0
Anthony Firkser77.1 (11位/TE73人)53393879.910
Adam Humphries*69.935232889.920
Derrick Henry31191146.003
Jeremy McNichols1712554.600
Kalif Raymond53.515918720.800
Cameron Batson58.1 (116位/WR131人)13121008.311
Geoff Swaim62.2 (46位/TE73人)129839.210
MyCole Pruitt72.1 (14位/TE73人)85499.820
Nick Westbrook-Ihkine64.8833311.000
Khari Blasingame54399.800
Darrynton Evans422713.510
Ryan Tannehill1100.006
D’Onta Foreman1155.010
Cody Hollister**62.4111212.000

*シーズン途中に故障者リスト入り
** シーズン途中に練習生契約に切り替え

  • QBは今年もライアン・タネヒル。
    まず、これまで1年を通して先発QBが離脱なく出場した、というのが2011年のマット・ハッセルベック以来。純粋に16試合出場となると、2002年のスティーブ・マクネアまでさかのぼる。何かと不安定だったヴィンス・ヤングや、故障がちだったジェイク・ロッカー、マーカス・マリオタを考えると、まず16試合を戦い抜いただけでも、特筆すべき偉業だ。
  • その中で、ヘンリーというレジェンドクラスの選手がいる中で、ラン中心の攻撃を展開しながらも、パスで積み上げた3,819ヤードは、フランチャイズ歴代3位。1位2位は、ラン&シュートを謳っていた時代の、オールドファンにはおなじみのウォーレン・ムーンという殿堂入りQBの記録であるため、チームがテネシーに移転し、タイタンズとなってからは、上記のハッセルベックの記録を抜き、トップの記録である。
  • 特に、33タッチダウンに対して、インターセプトがわずか7回という、ターンオーバーの少なさが光った。結果として、マイアミ時代の7年間で1度も95.0を超えなかったQBレートは、テネシー移籍後2年連続で105越え。
    確かにヤード数はリーグ15位と凡庸に見えるが、それはヘンリーという最強にして最凶の相棒がいるからであって、QBレートの106.5はNFL全体で見ても5位。プロボウル出場こそならなかったが、それはQBレート2位~4位が、パスを投げまくった理不尽QBだったからで、プロボウル級の活躍であったのは間違いない。
  • 攻撃の中心は、少なくとも現時点ではヘンリーかもしれないが、そうはいっても、自身も走れば脅威になり、投げればミスも少なく、しっかりタッチダウンも稼げる。殿堂入り候補のRBがいるチームのQBとしては、100点満点を通り越し、200点をあげてもいいくらいの活躍であった。
  • そのタネヒルからのパスを受けるレシーバー陣では、AJブラウンが、圧倒的なフィジカルを活かして、ルーキーイヤーに続いて2年連続での1,000ヤード越え。最終戦で100ヤード以上を荒稼ぎしてなんとか滑り込んだ感もあるが、2年連続で1,000ヤード越えは、2004年までのデレク・メイソン以来、なんと16年ぶりとなる偉業だ。
  • 相方のコーリー・デービスも、悲願の1,000ヤードに肉薄。AJブラウンへのマークがきつくなる中で、代わりにエース級の活躍を見せる時期もあり、4年目にして悲願のブレイクといえるだろう。残り2試合の時点で、あと55ヤードというところまで迫っていただけに、最後の失速がもったいないところではあるが…
  • ここぞの場面で投げるのがAJブラウンとデービスだとすると、ここぞの場面でしっかりパスを通したい場面で光ったのが、ブラウンに加えて、ジョヌ・スミスと、アンソニー・ファークサーのTEコンビ。2人とも300~400ヤード強と、数字としては目立ったものではないが、ジョヌ・スミスのタッチダウン8回は、デービスを上回りチーム2位。離脱が長かったアダム・ハンフリーズが、「ここぞのショートヤード」担当だったが、彼の不在の穴をしっかりと埋めてくれた。
  • 回数こそ少ないものの、昨年のプレーオフではビッグプレイを見せたカリフ・レイモンドらもおり、ヘンリーのランに注目がいきがちなタイタンズだが、ヘンリー対策一本に絞らせないくらい、投げる側、受ける側ともに充実していたパス攻撃だったと言ってもよいだろう。問題は、デービスとスミスなど、その立役者がFAになってしまうことなのだが、それについては後述することとする。

ラン攻撃

ラン回数521回 (NFL2位) 合計2,690yd. (1試合当たり168.1yd.; NFL2位)
タッチダウン26回 (NFL2位), ファンブル15回 (NFL8位)

個別ラン成績

選手PFF Gradeラン回数ヤード数1回あたりTDファンブル
Derrick Henry92.4
(1位/HB70人)
378
(1位)
2,027
(1位)
5.4
(6位)
17
(1位)
3
Jeremy McNichols58.2472044.310
Ryan Tannehill432666.276
D’Onta Foreman66.222954.300
Darrynton Evans57.814543.900
Logan Woodside7101.400
Cameron Batson4205.001
Jonnu Smith242.010
Senorise Perry71.2294.500
Kalif Raymond1-3-3.000
Amani Hooker144.000
Khari Blasingame54.7
(11位/FB12人)
  • チームとしては、ラン回数、ラン獲得ヤード、ランTD回数、1回あたり獲得ヤードのすべてがNFL2位。ランTD回数以外は、QBが異常なほど走れるレイブンズなだけに、ラン主体の攻撃を組んで、しっかり結果を出して、上出来な数字ではないだろうか。
    そして、その核となったのは、言うまでもなく 戦 術 ヘ ン リ ー なのである。
  • 昨年ラン回数、ラン獲得ヤード、ランTD回数の三冠を達成し、NFL Top 100でもトップ10入りを果たすなど、一躍トップクラスの選手に名乗りを上げたキング・ヘンリーだが、その王者ぶりは今シーズンも健在。それどころか、昨年よりもさらにレベルアップ。ラン回数は303回→378回 (歴代19位タイ)、ラン獲得ヤードは1,540ヤード→2,027ヤード (歴代5位)、ランTD回数は16→17で、2年連続三冠王。それに加え、最終戦で200ヤード超の大暴れもあり、史上8人目となる2,000ヤード獲得も達成。これにより、NFLトップクラスどころか、歴代トップクラスのRBへと名を上げた
    • ラッシング三冠王という記録そのものがNFL/AFLの統合 (1970年) 以降では、ヘンリーを除き9人しかいないという貴重な記録* であり、2年連続となると、NFL/AFL統合後は史上初となる偉業である。
      (※NFL/AFL統合前は1967, 1968年にLeroy Kellyが達成するなど複数事例あり)
    • 2年連続ラッシングリーダーというのも、1950年以降に9人しか達成していない記録** であり、かつ、達成した9人全員が殿堂入りを果たしている、という偉業の中の偉業である。
    • 最終戦時点で、残り223ヤードと、2,000ヤード到達が危ぶまれたものの、結果的には歴代5位となる2,027ヤードまで記録を伸ばした。タイタンズでは、CJ2Kことクリス・ジョンソンも、2009年に2,000ヤードを達成しており、NFL史上初の複数名の2,000ヤードラッシャーを擁するチームとなった。ちなみに、記録を1,900ヤードに下げても、複数名の1,900ヤード達成者がいるのはタイタンズだけである。
  • 一方で、ヘンリーの負荷軽減の目的もあり、ドラフトではダリントン・エバンズを指名。
    ヘンリーのパスプロテクションやレシービングは平均的ゆえ、3rdダウンでは、ジェレミー・マクニコルズを起用するなどしていた。
  • また、レッドゾーンでは特に、ヘンリーが走ると見せかけてタネヒルがそのまま走るプレイが有効であった。結果タネヒルが、ヘンリーに次いでチーム2位となる7個のラッシングTD。タネヒルのスピードを活かしたオプションプレイや、プレイアクションもあってこその、このハイパーオフェンスだけに、来年以降も相乗効果が大事である。

*参照元はこちら。補足として、2015年にAdrian Petersonがラッシング3冠王を達成
** 参照元はこちら

ディフェンス振り返り

全体像

  • 失点: 439 (1試合当たり27.4; NFL32チーム中24位)
  • 相手の獲得6,372 yd. (1試合当たり398.3 yd.; NFL28位)
  • 3rd Down阻止率: 48.1% (NFL32位)、4th Down阻止率: 42.3% (NFL17位)、
  • レッドゾーンでのタッチダウン率阻止: 30.8% (NFL30位)

昨年もヤード数的にはリーグ21位の守備と、決して盤石な守備というわけではなかったが、勝負所でしっかり守備を引き締め、失点数はリーグ12位。プレーオフでも、要所要所を締める堅守でプレーオフでも大躍進。その立役者でもあるディフェンシブ・コーディネーター (DC)のディーン・ピーズ御大が引退し、DC不在、守備のプレーコールは、HCのマイク・ブレイベルが兼任という形でシーズンを迎えることに。
総じてダメ。とにかくダメ。先行逃げ切りが得意なハイパーオフェンスを擁することもあり、相手オフェンスがとにかく点を取りに来る、ということを差し引いても、残った結果は昨年のようにヤードを稼がれるが、昨年と異なり要所を締めれないまま失点する守備。リーグ24位の失点数では、オフェンスは点を取り、ディフェンスも点を取られる、ノーガードの殴り合いを制しての11勝5敗、というのが正しい表現か。
それにしても、16試合のうち、10点台に抑えたのが4試合、20点台に抑えたのが4試合という失点ぶりに、堅守とゴリゴリのランを武器にしたタイタンズを見続けてきたオールドファンは何を思うのだろうか。

個別守備成績 (Defensive Line)

選手PFF Gradeタックル数ソロアシストTFLFFFRヤード数TD
DaQuan Jones67.7 (54位/DI130人)49292041000
Jeffery Simmons83.9 (10位/DI130人)49242531030
Jack Crawford53.5 (101位/ED115人)2820831000
Matt Dickerson47.2104600000
Teair Tart48.7104600000
Larrell Murchison48.351410000
Isaiah Mack*38.521100000
TFL: Tackle for Loss, FF: Forced Fumble, FR: Fumble Recovery

*シーズン途中に移籍。PFF Gradeは移籍後も含む値。

個別守備成績 (Linebackers)

選手PFF Gradeタックル数ソロアシストTFLFFFRヤード数TD
Rashaan Evans53.7 (51位/LB90人)965937101250
Jayon Brown*66.4 (22位/LB90人)76453152000
Harold Landry64.0 (61位/ED115人)694623100000
David Long54.1 (49位/LB90人)54302421000
Jadeveon Clowney*74.9 (20位/ED115人)1914541000
Will Compton50.4189900100
Nick Dzubnar24.5147700000
Derick Robertson52.295401000
Daren Bates62.186200000
Tuzar Skipper**63.354100000
Brooks Reed62.543110000
Vic Beasley***51.632111000
Wyatt Ray56.422010000
Kamalei Correa***46.821100000
TFL: Tackle for Loss, FF: Forced Fumble, FR: Fumble Recovery

*シーズン途中に故障者リスト入り。
**シーズン途中に練習生契約に切り替え。
***シーズン途中に移籍 (Beasleyはリリース, Correaはトレード)。PFF Gradeは移籍後も含む値。

個別守備成績 (Defensive Backs)

選手PFF Gradeタックル数ソロアシストTFLFFFRヤード数TD
Kevin Byard67.0
(32位/S92人)
111793211000
Malcolm Butler71.6
(23位/CB124人)
100861410000
Kenny Vaccaro60.6
(61位/S92人)
836221601530
Amani Hooker66.5
(35位/S92人)
51351610000
Desmond King*65.5
(48位/CB124人)
312110201631
Jonathan Joseph**65.42925421000
Breon Borders71.1
(26位/CB124人)
2722510000
Chris Jackson32.524141010000
Kristian Fulton57.61614210000
Joshua Kalu57.31612401000
Tye Smith61.41511410000
Adoree’ Jackson***58.7129300000
Kareem Orr60.475200180
Chris Milton44.933000000
Dane Cruikshank****60.010100000
TFL: Tackle for Loss, FF: Forced Fumble, FR: Fumble Recovery

*シーズン途中に加入。PFF Gradeは移籍前も含む値。
**シーズン途中にリリース。PFF Gradeは移籍後も含む値。
***シーズン途中に故障者リストより復帰。
****シーズン途中に故障者リスト入り。

パス守備

パス被試行630回 (NFL31位) 被獲得合計4,439yd. (1試合当たり277.4yd.; NFL29位)
被タッチダウン36回 (NFL31位), インターセプト15回 (NFL7位)

個別パス守備成績

選手ポジションサックQBヒットINTヤード数TDPD
Malcolm ButlerCB0.004111014
Amani HookerDB0.0041108
Harold LandryOLB5.5161005
Jayon Brown*ILB1.021008
Kristian FultonCB1.0114401
Kevin ByardFS0.011007
Jonathan Joseph**CB0.001505
Breon BordersCB0.001005
Dane Cruikshank*DB0.0011301
Jeffery SimmonsDE3.0130005
Kenny VaccaroSS1.010005
Desmond King***CB1.010002
Rashaan EvansILB0.540005
David LongOLB0.000002
Chris JacksonCB0.000001
Jadeveon Clowney* DE/OLB0.060004
Tye SmithCB0.000501
Derick RobertsonOLB0.020001
Teair TartDT0.020001
DaQuan JonesDT2.060000
Jack CrawfordDT2.090000
Brooks ReedOLB1.010000
Wyatt RayOLB1.010000
Matt DickersonDE0.010000
Kamalei Correa**OLB0.020000
Isaiah Mack**DT0.010000

*シーズン途中に故障者リスト入り。
**シーズン途中にタイタンズから移籍
***シーズン途中にタイタンズ加入

  • 昨年までも、パス守備、特にパスラッシュはリーグ平均以下で、課題となっていた。特に、ハロルド・ランドリーに続くOLBの選手層が課題となっていたのだが、オフには元サック王のヴィック・ビーズリー、そして交渉が長期化したものの、元全体1位のジャデビオン・クラウニーをFAで補強。
    キャップスペース捻出のため、功労者のジュレル・ケイシーを放出するという代償がついてきたものの、実績のある2名の補強で、パスラッシュの課題は解決…なんて幻想だった
  • ヴィック・ビーズリーはキャンプ中に謎の失踪劇をぶちかまし、開幕にも出遅れると、5試合でサックどころか、タックルすら3回するのがやっと。プレーにそもそも絡めないまま解雇された。
  • クラウニーは、FAになってから移籍先の決定までが長期戦となり、チーム合流が遅れたというハンディキャップはあったものの、もともとラン守備のほうが得意なこともあってか、サックを全く稼げず。故障を押して出場していたのか、突然のように故障者リスト入りとなり、補強の目玉がどちらも大コケするという笑えない始末。
  • 昨年2位のサック数をあげたケイシーは放出、そして同数のサックを稼いだOLBのカマレイ・コレアは、この2名に押し出される形で出番が減り、シーズン途中でトレードを要求する始末。全く結果の出ない2名のために、昨年実績を上げた選手が押し出されるという、笑うに笑えない展開で、パス守備は崩壊していった。
  • クラウニーに関しては、上記のように合流が遅れたという弁明が効くことや、昨年時点でパスラッシュに少し陰りが見えていた (2019年のQBプレッシャー48回はリーグ32位、サック数も、6→9.5→9と来て、2019年は3まで減少していた) ということ、何より、上記の通りもともとラン守備に定評があるぶん、ラン守備では一定の貢献を見せたのだが…
  • とにかく、サックが稼げない稼げない。シーズン最終戦のテキサンズ戦で複数サックが記録されただけで、Twitterがざわつくなど、相当なレベルであった。昨年までは、ブリッツも織り交ぜながら、サックを稼ぎに行くという創意工夫も見られたが、今年はそこまで至らなかった。
  • パスラッシュがかからないと、プレッシャーがかからないため、どんなにカバレッジがよくてもパスを通されてしまう…というリスクは上がるのだが、それだけでなく、エースCBのアドリー・ジャクソンが開幕直前に長期離脱。シーズン終盤には復帰したものの、どう考えても本来の姿ではなく、復帰を急いだ感すらあった。こちらも、LBの要でもあるジェオン・ブラウンが、中盤で故障によりシーズンアウトとなるなど、とにかくオフェンスの相乗効果とは真逆の、負のスパイラルに完全にはまってしまった格好に。
    昨年のプレーオフ、ペイトリオッツ戦でインターセプトからのリターンTDを決めたローガン・ライアンを、年齢を理由に放出し、ドラフトでクリスチャン・フルトンを指名、そしてFAではベテランのジョナサン・ジョセフを補強したものの、ジャクソンの不在も災いしてか、両選手とも思うような結果は残せず。ジョセフに関しては、相手レシーバーに「ぶち抜かれる」ようなプレーもあり、結果的にシーズン途中で解雇。
    結果論ではあるが、オフの補強が、パスッラッシュの補強失敗により、ドミノ倒しのように崩れていってしまった。
    正直いってしまえば、かつてのインターセプトリーダー、ケビン・バイアードもぱっとしないなど、総じて守備が崩壊しかけてしまった。
  • 最終盤に練習生契約から昇格したブルックス・リードが、いきなりサックを奪い、プレーオフでも存在感を見せるなど、多少来年につながる要素はあったが…課題は課題のまま終わってしまった。

ラン守備

被ラン回数427回 (NFL14位) 合計1,933yd. (1試合当たり120.8yd.; NFL19位)
許タッチダウン18回 (NFL22位), ファンブル8回 (NFL15位)

  • 相手チームのランの回数的には、NFL14位、パスの回数がNFL31位だったことを考えると、ハイパーオフェンスでリードする展開が多く、相手がパスを選択せざるを得なかった、というシーンも多かったといえるのだろう。
    ただ、ヤード的には、NFL19位の守備。やはりラン守備はパッとしない、というのがあったか。
  • ラン守備に定評のあるDLのダクワン・ジョーンズは、今年は隔年の「谷」のほうの年に。昨年プレーオフでも、勝負所でのランストップが光った元ドラ1のラシャーン・エバンズがぱっとせず、セーフティのケニー・バッカーロも凡庸な成績に。ランストップに期待のかかる選手たちがパッとしないので、チーム全体としても期待外れに終わったのは当然か。パス守備がパッとしなければ、ラン守備もシャキッとしない、という総じて微妙な結果に。

スペシャルチーム等振り返り

全体像

  • 平均スタート位置: 自陣28.7ヤード (14位)
  • 相手の平均スタート位置: 27.7ヤード (10位)

キッキング

キッカー成績

選手~20yd20~29yd30~39yd40~49yd50yd~FGXG
Stephen Gostkowski2/3
(66.7%)
4/5
(80.0%)
5/10
(50.0%)
7/8
(87.5%)
18/26
(69.2%)
46/48
(95.8%)
Sam Sloman*1/1
(100.0%)
1/1
(100.0%)
2/2
(100.0%)
5/5
(100.0%)

*シーズン途中に加入。1試合出場後、練習生契約に切り替え

パント

パンター成績

選手回数ヤード1回あたりネットゲイン最長ブロックIn 20TB
Brett Kern371,69545.841.5660223
Ryan Allen*840450.540.065001
Trevor Daniel**415739.330.052100

*シーズン途中に加入。1試合出場後、練習生契約に切り替え。その後リリース。
**シーズン途中に加入。2試合出場後、練習生契約に切り替え。

キックオフ

キックオフ成績

選手回数ヤードTouchbackTB%平均距離
Stephen Gostkowski865,3415159.3%62.1
Sam Sloman7406228.6%58.0
Brett Kern*14848.0

*ブレット・カーンのキックオフ1回は、セーフティ後のもの

キックオフリターン

キックオフリターン成績

選手回数ヤードTD最長平均
Kalif Raymond1527503018.3
Cameron Batson1123103521.0
Darrynton Evans920603122.9
Khari Blasingame11101111.0
A.J. Brown14214242.0
Joshua Kalu12022.0

パントリターン

パントリターン成績

選手回数ヤードTD最長平均
Kalif Raymond232080409.0

ペナルティ

自チームのペナルティ回数: 86回 罰退ヤード: 783ヤード ペナルティによる1stダウン: 36回
相手チームのペナルティ回数: 103回 罰退ヤード: 840ヤード ペナルティによる1stダウン: 31回

  • 平均スタート位置が、NFL10位ということで、あまり強烈な印象はないものの、カバーチームは健闘していたのではないだろうか。キックオフは、キッカーのスティーブン・ゴストコスキーが務めたが、キックオフのタッチバック率等は、ざっと他チームの数字を眺めてみた限り、まあ平均的か。
    (そもそも、タッチバック率が高いことがいいか、というとそれも議論の余地があるので…)
  • しかしキッカーの呪いは今年も続き、ゴストコも、本業のキッキングのほうでは、開幕戦でいきなりFGを3連続で失敗するわ、全勝対決だったピッツバーグ・スティーラーズ戦で、最終盤の同点FGを外すわ…と、散々だったが、結局開幕戦も決勝FGはしっかり決めるなど、勝負どころでは奮闘。総じてみると、PFFグレードは60.0であり、平均的か。ただし、高年俸を考えると、価格に見合った活躍だったか、なおさら疑問ではある。
    余談にはなるが年故障するまでタイタンズの不動のキッカーであったライアン・サコップは、昨年、故障から調子を崩し、結局高年俸がアダとなり解雇。今年バッカニアーズに移籍し、スーパーボウルを制覇。
    サコップの穴を埋めようと、ほかにも4人の選手が起用されていたが、昨年のバッファロー・ビルズ戦でFG全失敗という逆に偉業を達成し、解雇になっていたカイロ・サントスも、シカゴ・ベアーズでプレーオフ出場。ソツがないパフォーマンスだったものの、サコップ復帰とともに解雇されたコーディー・パーキーも、ブラウンズでプレーオフ出場。皮肉なのは、サコップ、サントス、パーキー3人とも、全員90%近いFG成功率をたたき出している。テネシーを出る喜びか…
  • パントはカーン様にお任せ。昨年プレーオフでも見せつけたように、攻撃が振るわないときでも、カーン様が相手20ヤード陣内にしっかりとパントを決めてくれることが、守備への相乗効果になっていた。
    今年も神がかった活躍…だったのだが、色気を出したフェイクプレイで怪我。その穴埋めを託されたライアン・アレンは、ソツのない活躍を見せたが、わずか1試合でカットされる理不尽な扱い。元FedEXドライバーとしても話題になったトレバー・ダニエルは、1993年当時のオールドファン (詳細は”The Comeback”で検索いただきたい) もびっくり17ヤードのパントをぶちかましたり、その後も、本人だけの責任では全くないとはいえ、パントをブロックされ、そのままリターンTDを喰らう始末。アレンを押し出しての起用でこれだった上に、翌週もそのままパンターとして起用されるなど、悪い意味でシーズン中盤のハイライトになってしまった。
    結果的にはカーン様が復帰し、事なきを得…たとまでは言い切れないものの、キッカーの呪いのような惨状は回避。出場できた13試合でPFFグレード71.1であり、これはパンター33人中10位の好成績。
    例年は16試合で70~80回ほどパントの機会があるのだが、今年は13試合でわずか37回。それだけ攻撃が進んでいたという裏返しでもあるが、限られた出番の中でも、タイタンズを支え続けてきた武器をしっかりと見せつけるあたりは、さすがAll Pro経験者である。
  • リターンはパントリターン、キックリターンとも、爆発力のあるカリフ・レイモンドに託し、可もなく不可もなく程度。リターンが1回でヤード数が少ない人たちは、オンサイドリカバーの結果なのであまり気にしなくてよい数字。
    昨年までは、エースCBのアドリー・ジャクソンがパントリターンも務めていたのだが、故障離脱に始まった1年である上に、やはりリターンはハードヒットをもらいやすく、故障リスクも高いことからか、方針転換することとなった。
    一般的にはパントリターンで平均10ヤード出せたら優秀と言われるが、9.0ヤードなので、これくらいやってくれたら、まあハイパーオフェンスがなんとかしてくれるか、という感じである。

2021年への展望

幸か不幸か地区優勝してしまっただけに、来年のスケジュールも厳しいものになってしまうが、2020年の核となった、歴代トップクラスのRBであるヘンリーと、チームに久々に表れたフランチャイズQB・タネヒルがいる中、攻撃の核となる選手たちは、今後数年は契約について心配する必要はない状態。
そのため、目下のトピックスとしては、大きくは、コーチ陣と、FA戦線だろうか。

  1. コーチ陣営
    前述のように、ハイパーオフェンスを構築した立役者でもあるアーサー・スミスは、アトランタ・ファルコンズのヘッドコーチへと栄転。今シーズン、DC不在が結果的に界隈からの大きな非難を呼んだが、2020年オフの大きな課題の1つは、攻守ともにコーディネーターを任命することとなった。
    …結果的には、オフェンシブ・コーディネーターには、トッド・ダウニング (Todd Downing) が昇格し、ディフェンシブ・コーディネーターには、シェーン・ボウエン (Shane Bowen) が昇格。動きは早かったものの、いずれも内部昇格という形。攻撃については、アーサー・スミスも内部昇格であったことを考えると、あまり気にすることもない気はするが、特に崩壊していた守備については、疑問符を付けざるを得ない。特段、ボウエンが担当していたOLBも光っていたわけではないだけに、なおさらである。
    ディフェンシブ・コーディネーターについては、2019年をもって引退したディーン・ピーズ御大に引退撤回してもらうべき、という声もあったのだが、結果的に、引退撤回したものの、それはアーサー・スミスについていくため、というなんともいえないものに。
    内部昇格というのは、「プレイコールやコーチングについては問題ない」、つまり「問題があったのは編成・選手のほう」という、マイク・ブレイベルのメッセージともとれる。だからこそ、次のトピックスがより重要な意味を持つのだが…
  2. FA戦線
    昨年も、ジャック・コンクリンが流出するなど、サラリー・キャップについては、決して余裕のある状況ではないが、コロナ禍でNFL全体としても収入源となってしまい、結果的にはサラリー・キャップが微減になる方向。そして、よりによってこのタイミングで27人も契約切れになる (詳細は下記リストを参照)。
    下記リストで太字の選手が、現時点で年俸$2.5M以上となっている選手だが、彼ら以外にも、ジョヌ・スミスとアンソニー・ファークサーのTEコンビや、ILBのジェオン・ブラウンなど慰留したい選手はいる。それでいて、守備をどのように立て直すか…という重大な課題もある。
    一方で、すでに現時点でサラリーキャップ上限を超過しているというサイトもある。 (*2/22閲覧時点)
    2021年には、今シーズンも安定していたOLのベン・ジョーンズや、エバンズ・ランドリーのLBコンビ、そして5年目オプションを公使したアドリー・ジャクソンもFAになる。状況によっては、契約の再構築でキャップスペースをあけたり、結果の割に高年俸な選手をカットしてでも慰留することになるだろうが、昨年に引き続き、主力級の選手が流出する覚悟はしておいた方がよいかもしれない。
    状況としても結構複雑なので、個人的な予想は控えておくが、離脱することで、かえってその存在感を示したジェオン・ブラウンくらいは慰留しておいてほしいものである。
OffenseRBSenorise Perry, D’Onta Foreman (RFA), Khari Blasingame (ERFA)
WRCorey Davis, Kalif Raymond, Nick Westbrook-Ikhine (ERFA)
TEMyCole Pruitt, Geoff Swaim, Jonnu Smith, Anthony Firkser
OLTy Sambrailo, Marshall Newhouse, Jamil Douglas (RFA)
DefenseDLDaQuan Jones, Jack Crawford
OLBJadeveon Clowney, Wyatt Ray (ERFA), Matt Dickerson (RFA)
ILBWill Compton, Nick Dzubnar, Daren Bates, Jayon Brown
CBChris Milton, Tye Smith, Breon Borders, Desmond King, Joshua Kalu
Special TeamsKStephen Gostkowski
LSMatt Overton

*今季年俸等の細かい数字は、こちらのリンクを参照されたい

…同時に、このような状況になると、ドラフトでいかに「当たり」を引くかが大事になる。ドラフトは1巡目が、4年連続で下半分 (17位以降) となる、全体22位指名。昨年のようにドラ1がノーマスクパーティーにふけているようでは、タイタンズの来年の勝機はないと言っても過言ではない。一方で、チームを支え続けるジョヌ・スミスやケビン・バイアード、ジェオン・ブラウンはいずれも3巡目以下の指名であったし、中位~下位指名でもあたりが出せるようであれば、まだまだ2021年、ひいては2022年以降もチャンスはあるだろう。
コロナ禍での政治家のようで嫌な表現ではあるが、昨年に続き、今年のオフも、「スーパーボウルの制覇のための重大局面」なのだ。

*ここまで書いてて15,000文字近くなっていました。レポートかよ。

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